子ども達の中には、何らかの理由で学校へ行きづらくなってしまう子たちもいます。「なんだか違うな…」「自分らしくできないな」など、本当にいろいろな理由があると思います。
学校へ行けなくなった経験がない場合は、「なにを甘えているんだ」などと思うかもしれませんが、本当の気持ちは当事者しかわかりません。
かくいう我が子も一時期不登校になり、家で過ごすこともありました。親として「できることはなんだろう?」と悩んだ日々も…。
親の気持ちとしては、ずっと家で見てあげたい気もしますが、現実的には仕事や用事があり、難しいですよね。家で過ごす以外の選択肢としてフリースクールがあり、利用するといいかもしれません。
岡山市の南端、倉敷市がほど近い南区植松の地に、学びの場の選択肢の1つとして考えてもらいたいと思い立ちあがった「うえまつフリースクール」があります。
うえまつフリースクールの特徴は、以下のとおりです。
ここでは、授業、テスト、行事など、決められた時間割はありません。ゆとりある時間の中で、じっくりと自分の好きなことを見つけたり、時にはだらだらと過ごしたりしながら、コミュニケーションや社会性、考える力や調べる力、計画を立てることなど身につけていくことを目指し、自分の進路をみつけてもらいたいと考えています。そのため、学校に復帰することはあくまでも選択肢の1つとして捉えています。
実際に見学させてもらいました。
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【目次】
外観
うえまつフリースクールは、自然豊かな場所(物件)を探していたところ見つけた、一軒家タイプ。一軒家といっても、現代風の建物ではなく、少し古めかしい雰囲気です。今の小学生から見ると、“おじいちゃん・おばあちゃんの家”といった感じでしょうか。
住宅地の奥まったところにあるので、少しわかりにくいかもしれません。でも、そんなときは連絡をすると詳しくナビをしてくれるので、安心してくださいね。
内観
玄関から中へ入ると、長い廊下があります。
▼各部屋にある看板は、手作り感が伝わってきて心が温まります。
キッチンでは、子ども達が料理にチャレンジすることも。
▼Instagramより引用
▼おやつは、子ども達が必要な分だけ購入するシステムもあり。
お金のやりとりや、計画的にやりくりして使うことなど、お子さんそれぞれにお金を使う経験ができればと考えています。もちろん、コンビニやスーパーなどに買いに行くことや、購入せずにお家から持ってくることも可能です。
▼一番インパクトがあったのは、「何をしてもいい部屋」です。
▼上記のように、すべてが“みなぎるパワー部屋”であるのかといえば、そうでもありません。
うえまつフリースクールには、まさに”自由”がありました。
なお、利用者は小学生が多くを占めていますが、幅広い年齢層がそろうため小さい子から大きな子までが入り乱れて遊ぶことが多いそう。
取材をした日も、隣の公園で保育園の子を小学生の子が面倒を見てくれたとのことです。
カリキュラムはない
ふと気になるのが、「こ、こんなに自由でいいのか…」という点。親としては、「学校の代わりに行っているのに、遊んでばかりじゃぁ…」という思いがあるかも。
実は、うえまつフリースクールには、1日の流れはあってもカリキュラムはありません。
いろいろと教えていただいたのは、うえまつ保育園・うえまつフリースクール代表の横山圭祐(よこやま けいすけ)さん。
筆者もそうなんですが、親としてはつい“勉強”のことを考えてしまいがち。ですが、『勉強は本人がしたいときにします。枠(カリキュラム)を決めてしまうとストレスとなり、安心できません』と、横山さんは語ります。
“本人が勉強をしたいとき”とは、どのような状態でしょうか。それは、例えば「高校受験で作文が必要。でも、作文を書いたことがないので教えてほしい」といったときなどです。
横山さんは、『その子が生活の中で必要性が出てきた場合、関わり合いながら教えています。体系的に、まんべんなく勉強を教えているわけではありません。情緒が安定して、安心安全な状態で過ごしてもらうことが重要です』と語ります。
利用者はどのような感じ?
うえまつフリースクールを利用しているのは、立地的に倉敷市の人が多いとのこと。それもそのはずで、岡山市南区植松のすぐ南側は倉敷市です。もちろん岡山市の利用者もおり、中には総社市や久米南町(週1回の利用)、兵庫県(長期休暇で祖母の家にきたとき)に利用する人もいます。
利用頻度はどうでしょう。例として以下のようなパターンがあるそうです。
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毎日来ている人
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学校に数日行って週2回来る人
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学校へ完全に行けているが、イベント事のときに来る人
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数か月に1回来る人も
まさに千差万別。固定しているわけではなく、その子にあった利用頻度です。
また、当日になり「利用したいです」と連絡があった場合や、逆に利用日であっても「休みます」といった場合に“キャンセル料なし”など、柔軟に対応しているとのこと。これは保護者にとってもありがたいことですね。
さて、うえまつフリースクールが気になった場合、まずはどうすれば良いのでしょうか。
もちろん利用前には見学も可能です。その後1日お試し利用し、気に入ったら本格利用となります。
実際、取材中にも見学希望の方から電話がかかってきました。
おわりに
うえまつフリースクールは、のびのびした良い雰囲気を感じました。利用中の子ども達にも会いましたが、みんな元気で目に光があり元気!
学校に行けなくてもいいんです。どこかに自分の居場所があれば。
うえまつフリースクールには、「今、こんなことに困っているんだ……」といった悩みなどを、しっかりと受け取ってくれるスタッフがいます。親としても安心ですね。
フリースクール利用を検討している場合、選択肢の1つにしてみてはいかがでしょうか。
詳細情報
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